保険の矯正治療
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矯正治療に保険が適用できる場合とは
矯正歯科治療は一般的には保険適用外ですが、下記の場合に限り保険診療の対象となります。
①「別に厚生労働大臣が定める疾患」に起因した咬合異常に対する矯正歯科治療
② 前歯及び小臼歯の永久歯のうち3歯以上の萌出不全に起因した咬合異常(埋伏歯開窓術を必要とするものに限る)に対する矯正歯科治療
③顎変形症(顎離断等の手術を必要とするものに限る)の手術前・後の矯正歯科治療
(日本矯正歯科学会ホームページより抜粋)
生まれつきの疾患による顎の変形や外科手術を必要とする顎変形症
厚生労働大臣が定める生まれつきの疾患によって顎や噛み合わせに異常がある場合は、矯正歯科治療に保険が適用されます。口や唇、顎の骨が生まれつき裂けている「唇顎口蓋裂(しんがくこうがいれつ)」や、生まれつき口蓋が狭い「ダウン症候群」などが代表的な疾患です。また、顎のゆがみや変形によって噛み合わせに異常があり、治療に外科手術(骨切り手術)を必要とする顎変形症の場合も、手術と手術前後の矯正歯科治療の両方に保険が適用されます。
永久歯が3本以上生えてこないために起こる咬合異常
一般的に乳歯は6歳ごろから永久歯に生えかわり始め、14歳ごろまでに永久歯が生えそろいますが、まれに「永久歯萌出不全」といって何らかの原因で永久歯が生えてこない場合があります。生えてこない永久歯が3本以上あるために咬み合せに異常をきたしており、歯肉を切開する手術(埋伏歯開窓術)と矯正歯科治療が必要な場合には、保険の適用が可能です。
永久歯が生まれつき6本以上欠損しているために起こる咬合異常
通常、乳歯は全部で20本、永久歯は親知らずまで入れて32本生えてきますが、生えてくるはずの歯が生えてこない場合がおよそ10%の確率であります。永久歯が生まれつき6本以上欠損しているケースは、「先天性部分無歯症」という厚生労働大臣が定める生まれつきの疾患に該当するため、矯正歯科治療が必要な場合には保険の適用が可能です。
厚生労働大臣が定める疾患
- (1) 唇顎口蓋裂(軟組織に限局した唇裂、軟口蓋裂、口蓋垂裂を含む。)
- (2) ゴールデンハー症候群(鰓弓異常症を含む。)
- (3) 鎖骨頭蓋骨異形成
- (4) トリチャー・コリンズ症候群
- (5) ピエール・ロバン症候群
- (6) ダウン症候群
- (7) ラッセル・シルバー症候群
- (8) ターナー症候群
- (9) ベックウィズ・ウイーデマン症候群
- (10) 顔面半側萎縮症
- (11) 先天性ミオパチー
- (12) 筋ジストロフィー
- (13) 脊髄性筋委縮症
- (14) 顔面半側肥大症
- (15) エリス・ヴァンクレベルド症候群
- (16) 軟骨形成不全症
- (17) 外胚葉異形成症
- (18) 神経線維腫症
- (19) 基底細胞母斑症候群
- (20) ヌーナン症候群
- (21) マルファン症候群
- (22) プラダー・ウィリー症候群
- (23) 顔面裂(横顔裂、斜顔裂及び正中顔裂を含む。)
- (24) 大理石骨病
- (25) 色素失調症
- (26) 口腔・顔面・指趾症候群
- (27) メービウス症候群
- (28) 歌舞伎症候群
- (29) クリッペル・トレノネー・ウェーバー症候群
- (30) ウイリアムズ症候群
- (31) ビンダー症候群
- (32) スティックラー症候群
- (33) 小舌症
- (34) 頭蓋骨癒合症(クルーゾン症候群及び、尖頭合指症を含む。)
- (35) 骨形成不全症
- (36) フリーマン・シェルドン症候群
- (37) ルビンスタイン・ティビ症候群
- (38) 染色体欠失症候群
- (39) ラーセン症候群
- (40) 濃化異骨症
- (41) 6 歯以上の先天性部分無歯症
- (42) CHARGE症候群
- (43) マーシャル症候群
- (44) 成長ホルモン分泌不全性低身長症
- (45) ポリエックス症候群(XXX 症候群、XXXX 症候群及び XXXXX 症候群を含む)
- (46) リング18 症候群
- (47) リンパ管腫
- (48) 全前脳症
- (49) クラインフェルター症候群
- (50) 偽性低アルドステロン症
- (51) ソトス症候群
- (52) グリコサミノグリカン代謝障害(ムコ多糖症)
- (53) 線維性骨異形成症
- (54) スタージ・ウェーバ症候群
- (55) ケルビズム
- (56) 偽性副甲状腺機能低下症
- (57) Ekman-Westborg-Julin 症候群
- (58) 常染色体重複症候群
- (59) 巨大静脈奇形(頸部口腔咽頭びまん性病変)
- (60) 毛髪・鼻・指節症候群(Tricho-Rhino-Phalangeal症候群)
- (61) その他顎・ロ腔の先天異常
●矯正歯科治療にともなう一般的なリスク・副作用
- ・機能性や審美性を重視するため自費(保険適用外)での診療となり、保険診療よりも高額になります。
- ・最初は矯正装置による不快感、痛みなどがあります。数日から1~2週間で慣れることが多いです。
- ・治療期間は症例により異なりますが、成人矯正や永久歯がすべて生え揃っている場合は、一般的に1年半~3年を要します。小児矯正においては、混合歯列期(乳歯と永久歯が混在する時期)に行なう第1期治療で1~2年、永久歯がすべて生え揃った後に行なう第2期治療で1~2年半を要することがあります。
- ・歯の動き方には個人差があるため、治療期間が予想より長期化することがあります。
- ・装置や顎間ゴムの扱い方、定期的な通院など、矯正治療では患者さまのご協力がたいへん重要であり、それらが治療結果や治療期間に影響します。
- ・治療中は、装置がついているため歯が磨きにくくなります。虫歯や歯周病のリスクが高まるので、丁寧な歯磨きや定期メンテナンスの受診が大切です。また、歯が動くことで見えなかった虫歯が見えるようになることもあります。
- ・歯を動かすことにより歯根が吸収され、短くなることがあります。また、歯肉が痩せて下がることがあります。
- ・ごくまれに、歯が骨と癒着していて歯が動かないことがあります。
- ・ごくまれに、歯を動かすことで神経に障害を与え、神経が壊死することがあります。
- ・治療中に金属などのアレルギー症状が出ることがあります。
- ・治療中に、「顎関節で音が鳴る、顎が痛い、口をあけにくい」などの顎関節症状が出ることがあります。
- ・問題が生じた場合、当初の治療計画を変更することがあります。
- ・歯の形状の修正や、噛み合わせの微調整を行なうことがあります。
- ・矯正装置を誤飲する可能性があります。
- ・装置を外すときに、エナメル質に微小な亀裂が入る可能性や、補綴物(被せ物など)の一部が破損することがあります。
- ・装置を外した後、保定装置を指示どおりに使用しないと後戻りが生じる可能性が高くなります。
- ・装置を外した後、現在の噛み合わせに合わせて補綴物(被せ物など)の作製や虫歯治療などをやり直す可能性があります。
- ・顎の成長発育により、噛み合わせや歯並びが変化する可能性があります。
- ・治療後に親知らずが生えて、歯列に凹凸が生じる可能性があります。
- ・加齢や歯周病などにより歯を支える骨が痩せると、歯並びや噛み合わせが変化することがあります。その場合、再治療が必要になることがあります。
- ・矯正治療は、一度始めると元の状態に戻すことが難しくなります。